【ストーリー】マジック:ザ・ギャザリングのストーリーに触れよう!【入門記事】
これはマジック:ザ・ギャザリング/Magic: the Gatheringのストーリー入門記事です。
「マジック」「ギャザ」「MtG」などと呼ばれるこのトレーディングカードゲームには、壮大なストーリー(背景世界)があり、それがゲームの魅力を深めています。
この記事では初めてマジックに触れる方がストーリーも楽しめるように、基本的な設定をまとめたものです。
(公式記事等を参照してますが、間違いなどがありましたらご連絡ください。)
マジック自体の面白さや奥深さについてはこれとかこんな記事を書いてますので是非ご覧ください。
それでは、めくるめくファンタジーの世界へようこそ!
◇基本的な用語
マジックの世界観はちょっと特殊で、古典的な剣と魔法のファンタジーな世界から、侍や忍者のいる和風な世界、自然も生き物も金属でできたSFのような世界など、様々な世界(次元といいます)が舞台になります。
ここではどの世界でも共通のものごと、用語をまとめました。
・マナ/Mana
魔法を唱えるためのエネルギーがマナです。
全ての世界で共通しているのは、マナが存在しているということだけ。
マナは土地に宿っており、その土地との繋がりを持つ者だけが土地からマナを引き出し、魔法を使うことができるのです。
マナの総量や安定性、色の偏りなどはその世界によって、さらに土地によって異なります。
マナが溢れんばかりに豊富な世界では魔法はありふれた手軽なものとなり、マナが不安定で暴れている世界では魔法を唱えることもままなりません。
マナは5色に分かれており、どの色のマナに属するかによって魔法や魔法使いの性質、はたまた世界自体が変わることがあります。
その5色は、白(W)、青(U)、黒(B)、赤(R)、緑(G)です。
・次元/Plane
マジックの舞台となる世界のことです。
次元は星の数ほど、まさに無限にあり、その種類は多種多様です。
多くの次元は球体で、ちょうど地球のような惑星に似ていますが、中には平面が広がる次元や何も無い空っぽの次元、人工的に作られた次元まで存在します。
それぞれの次元には人間が住んでいたりいなかったり、変わった動植物(クリーチャー)がいたりいなかったり、独自の文明が栄えていたりいなかったりします。
・多元宇宙/Multiverse
次元が惑星なら、多元宇宙はそれらが存在する宇宙そのものです。
古くはドミニア/Dominiaと呼ばれていました。
・久遠の闇/Blind Eternities
久遠の闇とは次元と次元の間、多元宇宙の隙間部分になります。
ここは混沌とした、通常の概念や論理が通用しない擬似存在の空間で、「久遠の闇」という表現も捉えようのない“それ”を詩的に言い表した用語に過ぎないそうです。
久遠の闇は霊気/Atherと呼ばれる純粋なエネルギーに満ちており、ここを普通の生き物が通ろうとすると、カオスで荒れ狂うマナに跡形も無く粉々にされてしまいます。
つまり、普通は次元と次元とを行き来することは不可能なわけです。
・プレインズウォーカー/Planeswalker
プレインズウォーカー、「次元を渡り歩く者」です。
プレインズウォーカーだけが久遠の闇を一瞬だけ通り抜け、次元から別の次元に移動することが可能なのです。
マジックの世界には多くの魔法使いが登場しますが、プレインズウォーカーはその中でも別格の力を持つ強大な魔術師です。
プレインズウォーカーになるには「プレインズウォーカーの灯」を生まれつき持つ者だけで、さらにその灯が覚醒することで初めてその力を得ます。
そしてマジックを遊んでいるあなたも、プレインズウォーカーの一人。
土地からマナを引き出し、魔法を使ったり、霊気を経由してクリーチャーを召喚する。
そんな魔術師同士の対決がマジック:ザ・ギャザリングというゲームなのです。
対決!
◇最近のストーリー
上記の基本的な部分を知っていればマジックのストーリーは楽しめると思います。
ですがマジックのストーリーはカードゲームに付随しているものなので、カードの雰囲気付けとして使われているものがほとんど。
なので、ここではファンタジー短編として楽しめそうな、公式サイト等で公開されている短い読み物を紹介します。
マジックは20年の歴史があり、ストーリー全てを網羅しようとすると非常に大変ですので、ここ5年くらいの主なストーリーをまとめました。
だいたい1年で1ストーリー(次元)で、その次元のカードセットに沿ったストーリーが展開されています。
・ゼンディカー
自然が動き出し、土地が暴れ狂う荒々しい次元で、面晶体/Hedronと呼ばれる魔力を帯びた結晶がそこかしこに浮かんでいます。
都市はほとんど存在せず、人々は荒れ狂う世界を冒険し、財宝を求めて遺跡を発掘しています。
マナは豊富に存在しますが乱れており、プレインズウォーカーですら魔法に失敗することがあります。
この暴力的な次元には、強大な捕食者である「エルドラージ」というクリーチャーが封印されていました。
しかしストーリー中にその怪物は復活してしまいます。
そんなゼンディカーを冒険する一人の男。
そこで見たものとは……!
(→ケフ砦の戦い)
・ミラディンの傷跡
あらゆるものが金属に覆われ、あるいは金属を含んでおり、それはそこに住む生命ですら例外ではない、それがミラディンという次元です。
ここはカーン/Karnというプレインズウォーカーに作られた人工的な次元で、金や銅でできた植物、きらめく水銀をたたえた海、そして生まれながらに金属の部位を持つ生物(人間も!)が特徴です。
ストーリーはこの次元の奥深くに潜み、侵略して世界を作り変えてしまおうとするファイレクシア/Phyrexiaと、それに対抗するミラディンの住人達の戦いが描かれます。
本格的な戦争が始まる前、ファイレクシア軍の王座での出来事です。
(→堕落した良心)
・イニストラード
ゴシックホラーをモチーフとしたイニストラードは、吸血鬼や狼男、ゾンビやフランケンシュタインの化物など、恐怖のモンスターが生息する中世風の次元です。
ここに住む人間達はアヴァシン教会/The Church of Avacynという宗教的な共同体を中心として生活しており、大天使アヴァシンの加護により、闇の怪物から守られていました。
しかしアヴァシンはいつの間にかいなくなっており、蔓延る邪悪によって人間は滅亡の危機に瀕します。
そんな中、とある目的のためにこの次元を訪れた一人のプレインズウォーカー、リリアナ・ヴェス/Liliana Vess。
彼女の介入によって、イニストラードに奇跡が起こるのです。
・ラヴニカへの回帰
ラヴニカは次元の名前であり、都市の名前でもあります。
この世界は文明が高度に発展し、次元全てが一つの巨大な都市になっているのです。
ここでは10個のギルドが世界を動かしており、それぞれの役割を果たしています。
しかしギルド同士は仲が悪く、常に冷戦状態になっていました。
その対立は全面戦争勃発直前まで発展しますが、ラヴニカで最も知性の高いドラゴン、ニヴ=ミゼット/Niv-Mizzetの提案で、隠された「迷路」での競争へと変わります。
(→Dragon's Maze Trailer - Japanese)
ラヴニカには多くの人々が住み、豊かな文化が存在します。
そんな生活の一部が垣間見れるこの短編をどうぞ。
(→ならず者の道)
・テーロス
今月末に発売される最新セット、「テーロス」の舞台であるこの次元は、ギリシャ神話をモチーフとした神々が世を支配しています。
テーロスの人々は都市国家に住み、神を厚く信仰しています。
その都市の城壁の外には、ミノタウルスやクラーケン、ハイドラなどの怪物が潜んでいます。
まだ小説形式の読み物は公開されていませんが、神々の設定だけでも充分その雰囲気を味わうことができます。
マジックの世界観が感じられましたでしょうか?
「面白そう!」と思って頂けたら幸いです。
もし需要があれば他の次元についてもまとめたいと思います。
それでは今日はこの辺で。
↓マジックの総合誌、マナバーン2014の予約始まってるみたいですね