晴耕雨筆

Magic: the Gatheringの様々な楽しさをあなたへ。

待って!私、まだ死にたくない……!

今回は「スタックと対応」について解説します。

初心者の壁とも言うべきものですが、できるだけ簡単に説明してみたいと思います!

◇スタックとは
「スタック」とは何か?

情報系に強い人ならご存知だと思いますが、スタックとは入れ物のことです。

ほとんどの唱えた呪文や起動された能力はスタックに乗ります。

その後、解決されるわけです。

分かりましたでしょうか?

マナを発生する能力や、特別な効果を持った呪文はスタックに乗りませんが、それ以外は必ずスタックに乗ります。


◇対応
呪文や能力がスタックに乗ったあと、それが解決される前にインスタント呪文を唱えたり、起動型能力を起動することができます。
これを「対応」と言います。

スタックの特性上、上のものを先に取り出さないと、下のものを取り出せません。
つまり、後から対応した(上に乗った)効果から解決されるのです。

例を示しましょう。
対戦相手がこちらのラノワールのエルフ/Llanowar Elvesにショック/Shockを撃ちました。

このままではラノワールのエルフが破壊されてしまいます。
そこで、こちらはショックに「対応」して剛力化/Titanic Growthを唱えます。

スタックに2つの呪文が乗りましたね。
ここで対戦相手は何もしないことを宣言したので、スタック内の効果が解決されます。

ルールは「上から」なので、まず剛力化の効果が解決されます。

ラノワールのエルフは+4/+4の修整を受けますね。
その後ショックの効果が解決されます。

ラノワールのエルフはタフネスが5なので、2点ダメージを喰らっても破壊されません。

これがスタックと対応になります。
少し複雑ですが、ゆっくりやれば自然に覚えてきますよ。

なお、対応できるのはインスタント呪文と起動型能力だけです。
メインフェイズであっても、スタックに何か乗っているとソーサリーやクリーチャー、エンチャントなどを唱えることはできません。

そのため、メインフェイズでスタックが空の状態を「ソーサリー・タイミング」と呼ばれます。
インスタント以外のカードは特に表記が無い限り、ソーサリー・タイミングで唱えることになります。

もちろんソーサリー等もスタックには乗り、それに対応してインスタントを使うことができます。
ただ、土地のプレイはスタックには乗りませんで気をつけて。


◇対象は先決め
多くの呪文は「対象」を指定して使います。
上のショックや剛力化がそうですね。
これらはスタックに乗せるときに対象を決めます。

なので、解決するときに「やっぱこっち!」というのはダメです。

では、対応されて対象がいなくなった場合どうなるのでしょうか?

例を示しましょう。

こちらは先兵の精鋭/Elite Vanguardに霊魂のマントル/Spirit Mantleをエンチャントするところです。

このとき、霊魂のマントルは対象を先兵の精鋭としてスタックに乗ります。

そこに対戦相手が対応して、先兵の精鋭を対象に送還/Unsummonを撃ちました。

こちらは何もできないため、スタックが上から解決されます。

まず、送還の効果で先兵の精鋭がこちらの手札に戻ります。

次に霊魂のマントルが解決されますが、既に対象は場にいません。

この状態を「対象不適正」といいます。
そして、対象不適正になった呪文や能力は「立ち消え」してしまいます。

立ち消えとは「何もできずに失敗」と思えば簡単でしょう。
つまりミスです。唱えた呪文は墓地に置かれてしまいます。

逆に相手の呪文を立ち消えさせることができればお得ですね!


分かりましたでしょうか?
これは実際プレイしながら理解していった方が早いと思います。

慣れてる人はサクサク進めてしまうので、はっきり「対応します!」と言った方がいいですね。

これが上手くできるようになれば脱初心者も近いですよ!


それではまた、どこかの次元でお会いしましょう!