【ルーリング】新ナイトメア能力のルール的考察
M14でナイトメア能力のテキストが若干変更になっています。
放逐する僧侶/Banisher Priestや壮大な鯨/Colossal Whaleがそうですね。
これらのルーリングがとても分かりにくいと評判なので、
現在のルールからどのような挙動になるのかを考察してみました。
※これは独自研究です。正式な挙動は公式のFAQをお待ちください
※公式のFAQが出ました。
この能力は継続的効果ではなく、2つの単発的効果からなるそうです。(CR 610.3)
◇新ナイトメア能力とは
さて、まずはそれぞれのカードのテキストを確認しましょう。
放逐する僧侶/Banisher Priestは
「放逐する僧侶が戦場に出たとき、対戦相手1人がコントロールするクリーチャー1体を対象とし、放逐する僧侶が戦場を離れるまでそれを追放する。」
壮大な鯨/Colossal Whaleは
「壮大な鯨が攻撃するたび、防御プレイヤーがコントロールしているクリーチャー1体を対象とする。あなたはそれを、壮大な鯨が戦場を離れるまで追放してもよい。」
これらの能力は「戦場に出たとき~/When~」「攻撃するたび~/Whenever~」なので、どちらも誘発型能力ですね。
それぞれの誘発条件を満たしたときに、対象を選んでスタックに乗せます。
その後、解決された場合は、放逐する僧侶/Banisher Priestの方は必ず追放、壮大な鯨/Colossal Whaleの方はコントローラーの任意で追放されます。
まあ、ここまでは基礎の基礎。問題は「戦場を離れるまで~」なのです。
◇どうやって戻ってくるのか?
これまでのナイトメア能力の『戦場に戻す』方法はほとんど「戦場を離れたとき~/When~」でした。
よって、『追放する』誘発型能力に対応して戦場を離れさせることで、先に『戦場に戻す』誘発型能力を解決させ、その後に『追放する』ことで永久に追放することができたのです。
しかし今回は「戦場を離れるまで~/until~」に変わりました。
これは恐らく誘発型能力ではなく、継続的効果だと思われます。(CR 611)
継続的効果は「呪文や能力の解決によって生成された継続的効果は、それを生成した呪文や能力に述べられた期間(「ターン終了時まで」など)継続する。」(CR 611.2a)とあります。
例えば、巨大化/Giant Growthの効果はクリンナップ・ステップまで継続し、終了するときはスタックを用いません。
つまり、今回の『戦場に戻す』方法は能力ではなく、効果が切れたことで『追放していない状態に戻る』というニュアンスなのではないでしょうか。
また、継続的効果には「起動型能力または誘発型能力によって発生する効果の中には、「~し続ける限り/for as long as」という表記で限定される持続時間を持つものがある。この「~し続ける限り」というフレーズで示される期間が、最初に適用されるより前に終了していた場合、その効果は何もしない。」(611.2b)というものがあります。
新ナイトメア能力のテキストには「~し続ける限り/for as long as」とは記載されていませんが、言い換えれば「戦場に存在し続ける限り」ということになります。
このルールを加味するのであれば、『追放する』誘発型能力に対応して戦場を離れさせても、その期間が効果を適用する前に終了しているので、その効果は何もしないということになります。
すなわちこれまでのような永久追放はできないどころか、一回追放されることも無いので、トークンを消すこともできません。(トークンは追放を解決すればいいですけど……)
さらに「呪文や能力の解決によって発生する、オブジェクトの特性またはそのコントローラーを変更する継続的効果は、その継続的効果が発生した時点で影響を受けるオブジェクトが決定され、それ以降には変更されない。」(611.2c)というルールもありますので、放逐する僧侶/Banisher Priestや壮大な鯨/Colossal Whaleのコントロールを奪われたり、能力を失わされても、『戦場に戻す』継続的効果には影響しないのではないでしょうか。
◇まとめ
ルールテキストばかり並べてしまいましたが、簡単にまとめると
・戦場に戻す際はスタックを用いない
・追放する前に戦場に戻す効果が終了した場合、追放しない
・戦場に戻す効果はどうやっても消えない(ゲーム終わるまで)
こんな感じになると思います。合っているかは分かりませんが。
まあ、すぐにFAQが出るので、答え合わせはできるでしょう。