D&Dとマジック、似ているのにコラボしない理由とは?
「ダンジョンズ&ドラゴンズ」というゲームをご存知ですか?
世界で最初の、かつ最大のTRPGです。
ざっくり説明すると、「剣と魔法のファンタジー世界で、ダンジョンに潜ってドラゴンと戦う」って感じでしょうか。
なんでこのゲームの話をしているかと言うと、ダンジョンズ&ドラゴンズ(以下D&D)はマジックと同じWotCから発売されており、従兄弟のような関係にあるのです。
マジックの世界観も、D&Dから影響を受けている部分が少なからずありますからね。
(D&Dは指輪物語から影響を受けており、それがファンタジーRPGのスタンダードとなっているわけですが。)
ドラゴンはお宝がお好き、ってのもそう。
そんなD&Dとマジックのコラボレーションは、両方のファンに取って興味深いものです。
同じ会社の製品ですし、簡単にコラボできるんじゃないか?とか思ってました。
ですが、この2つの似たゲームがコラボしない理由を、WotCの元RPG部門責任者であったRyan S. Dancey氏が語ったそうです。
その内容が面白かったので訳してみました。
超意訳ですのでそのへんご容赦を。(原文はこちら)
「なんでM:tGとD&Dはコラボしないの?」
やあ!
私はD&Dのブランド・マネージャーとTRPGのVP(※1)を1998年から2000年までWotCでやってたんだ。だからその質問に答えることができるよ。
マジックのTRPGを作る計画は実際にあった、そしてWotCがTSR(※2)を買収したときから、D&Dとマジックをコラボさせる議論は行われていた。
D&Dの3rd editionがリリースされた後も、私達はマジックのクリーチャーを使ったクロスオーバー製品を計画したんだ。
結局、WotCはこれらのブランドを別々にしておく決定をした。その理由はこうだ。
D&Dとマジックは基本的に互換性の無いブランド戦略を取っており、これらは「怪物と友達、その尻」で表すことができる。
D&Dは、あなたとその友達が一緒に、怪物の尻を蹴っ飛ばすゲーム。
マジックは、あなたが怪物を使って、友達の尻を蹴っ飛ばすゲームだ。
(ところでポケモンは、あなたの友達である怪物が、他の怪物の尻を蹴っ飛ばすゲームだね。)
マジックのブランド・チームはこれまでに磨き上げてきた競争型ゲームとしてのブランドを薄めたくなかったし、D&Dのブランド・チームは競争型ゲームとして拡張することを望まなかった。
この決定は、お互いのために良かったんだと思うよ。
また、D&D/MtGクロスオーバーの製品は、そうでない製品よりも売れるという正当な理由が無かったし、それは通常よりも値段を高くしなければならなかった。
販売側は、「高いものは売れない」と心配したのさ。
※1 VP:ヴァイスプレジデントのこと。副社長とかの、社長を補佐する役目。
※2 TSR:D&Dを最初に発売した会社。1997年にWotCに買収された。
なるほど、確かに「対戦と協力」という意味では真逆のゲーム性なんですね。
でも最近はマジックも大群マジックとかチャレンジ・デッキで、プレイヤーVS怪物という世界観を表現しようとしています。
開発している人にもD&Dファンはいっぱいいるみたいですし。
いつの日かコラボされたら、是非D&Dも遊んでみたいですね。